身体のいかなる部位のどんな程度の痛みでも、急性期の薬や安静で緩和されずに慢性化すると、痛みが頑固になり、結果的に身体的、あるいは精神的なストレスを感じることになります。

例えば、

• 動かすと痛い
• 痛みをかばってぎこちない動きをする
• 普段の活動範囲が狭くなる

などの症状があげられます。さらに、ストレスのつきまとう生活パターンを繰り返すことで、疲れ易くなったり、他の部分まで痛くなったりと全身の悪循環にまで発展します。

神経ブロック治療は、そのような頑固な痛みを軽減し、本人が痛みから解放される時期を作り、それを一定期間繰り返すことによって、痛みを緩和する治療のことです。結果的に、体調を整え、生活の質（クオリティー・オブ・ライフ）を回復する利点があります。本治療は私たちの生活には馴染みが少ないのですが、古くは手術の麻酔から始まり、治療法として確立して以来、すでに約40年の歴史があります。

治療は症状の改善の程度にもよりますが、原則的に徐々に治療回数を減らし、薬剤の量を少なくしていきます。神経ブロックの種類には数十種類程度あります（写真1、写真2はその一部）。これらを、部位、症状、程度によって選択していきます。治療とはいえ、痛い行為を漫然と続けることはありません。また、鍼灸や中国針による痛みの治療ではありません。考え方や方法も違います。

なお、痛みの相談を受ける方全員が神経ブロック治療の対象にはなりません。診察した上で適切な場合には、神経ブロック治療を提案します。もし神経ブロック治療が不要な方、または様子を見たい方には、リハビリを中心とした保存治療を行いますのでご安心ください。